“バンビ2”は父と子の物語

バンビ2 森のプリンス [DVD]

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<ストーリー>
ハンターによって最愛の母を失ったバンビ。死の意味を知らぬまま母の影を追う息子と暮し始めた“森の王様”。父として王としてバンビを育て始めます。しかし、父を尊敬しながらも、まだまだやんちゃな息子に戸惑う王。ウォルト・ディズニーが残した資料からインスパイアされ、オリジナルでは描かれなかった森の動物たちとともに成長していくバンビと王様の親子の物語。
公式サイト(CLUB-BVHE)

<感想>
結構良かったですよ!
キャラクターの描写がディフォルメされて現代的になっている点は好き嫌いがありそうですが、結構丁寧に描かれていて、オリジナルの良さをちゃんと継承してるし、背景も綺麗だし他の続編と比べてクォリティも全然高いです。笑いどころもオリジナルにそってていい感じ。すんすけやフラワーも相変わらず可愛いし。そして何より、ディズニーには珍しい父と子の物語が丁寧に書かれている点がグッド。これまで、ディズニーの父親というと、「アラジン」や「リトル・マーメイド」のように娘が可愛くて仕方が無い親馬鹿な王様や、「メリー・ポピンズ」のバンク氏の用に子供に興味が無く、むしろ敵の様に描かれるか、他界してしまい母子家庭というケースが多かったですが、「チキン・リトル」に続いての父子家庭を描いて、現代の多様な家庭状況がディズニーアニメにも反映されてきているのでしょう。
チキン・リトル」では夢を諦め現実的に生きようとする父と、かつての父の面影に憧れ、その父に認められたい子の物語でしたが、「バンビ2」では、王として自分の跡継ぎとして威厳をもって育てようとしつつ、母親の代わりもしなければという父と、王としての父に憧れつつ、まだまだ子供らしくやんちゃでいたい子の物語になっています。前者では、それをSFちっくに現代的に描き、後者は伝統的なストーリーの中で描こうとしていますが、母と娘の関係とはちょっと違う、男同士だからこそ不器用になってしまう親子の関係を描いている点で共通しています。劇場で見たときは酷評した「チキン・リトル」でしたが、今回の「バンビ2」を見て、その良さに気付いた気がします。是非、お父さんたちに息子さんと見て欲しい作品です!その際には自分が子供のときのお父さんとの思い出を振り返りながら見てください。きっと色んなことが胸に宿ってくるはずです。