“ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女”
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2006/07/26
- メディア: DVD
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DVDはケースの扉を開くと、あの衣装箪笥が現れトールケースを引き抜くと彼女が・・・という豪華使用。デジパックでなくて良かった。メイキングなど映像特典も豊富で、本編ディスクにも監督らのコメンタリーやトリビアトラックが。残念なのは音声が6.1chやDTSでない点。まぁBlu-rayで出るでしょうから当面は十分かな。
・http://www.disney.co.jp/narnia/
・Disney Movies | Official Site
まず、いい点。
とにかくC・S・ルイスの原作を忠実に再現していること。
「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のWETAデジタルと「ベイブ」のリズム&ヒューズ・スタジオがVFXを担当し、メイクアップはアカデミー賞も獲っており、タムナスさんやアスランらのクリーチャーやナルニア国のビジュアルは圧巻。キャストも、ペベンシー家の4兄弟が素朴な感じでとてもいい。エドマンドとか、もっと個性的かなと思ったけど、あれくらいが丁度いい。スーザンとルーシィは可愛いよ。そして白い魔女のティルダ・スウィントンがヤバイ!ぞくぞくした何あの色気!ストーリーも原作と同様に子供をメインターゲットにしファンタジーにありがちな難しい用語や設定は極力省かれていて、ファミリーエンターティメントとしては秀作である。
では、悪い点は?
まず「ロード・オブ・ザ・リング」、「ハリー・ポッター」その他様々なCGを多用したファンタジー映画が出尽くした後というタイミングの悪さ。正直新鮮さはもうない。クリーチャーも「ロード・オブ・ザ・リング」のそれに近いデザイン過ぎるし、ナルニア国のビジュアルも同様。「ハリー・ポッター」と比べても物語の中身が希薄だし映像もいまいち面白くない。もっと演出面で白い魔女やアスランの魅力を引き出せたのではないかと思うし、兄弟にしてもキャラクターとして「ハリー・ポッター」の面々と比べると見劣りしてしまう。
そして、ディズニー映画だという点。
子供向けであるが為に流血や残酷なシーンは無く、いまいち真実味や迫力に欠け、大人の視聴には耐えられるとは言えない。ストーリーも同様。たんたんと進んでいくので途中何度も睡魔に襲われた。せっかくアンドリュー・アダムソンがメガホンを取ったんだし、ギャグの一つやディズニーなんだしミュージカルシーンの一つくらいあっても良かったのに。過去のディズニーアニメの用に原作の良さを生かしつつディズニーオリジナルのものにするっていうのは、この作品の場合難しかっただろうし、そんなことしたら非難轟々だろうけど、もう少し遊んでも良かったんではないかと。劇というより、まさに年代記を映像で見させられている感じがした。音楽も普通すぎて面白みに欠ける。
もう一度いいますが、映画としてエンターティメントとしての完成度は一級品であります。しかし、ディズニー映画として、世界三大ファンタジーの一つの映画化として、その期待に応えられるものかというと、そうではない。それが全ての点での不満につながってしまう。是非、第二作「カスピアン王子のつのぶえ」では、これらの不満を一蹴して今年の海賊たち以上に世界を席巻して欲しい!(でも、アンドリュー・アダムソンはシュレックの3と4作るらしいんだけど。。。)