スチームボーイ

そろそろZ見に行こうと、その前に買ったままにしていた「スチームボーイ」を視聴。

スチームボーイ 通常版 [DVD]

スチームボーイ 通常版 [DVD]

<映像>:★
まず、やれば出来るじゃんサンライズってのが正直な感想。最近のTV作品(特にSEED)の画はCGだってわかるとこが多かったり、使い回しがあったり、カメラワークが甘かったりしていたが、劇場アニメという利点(金・時間・人材)をきちんとつかってクォリティーの高いものになっています。メカ関係は当然ながら、マンチェスターやロンドンといった背景の表現がいいんです!(カビラ風に)正直、ジブリに負けてない。まぁとわいえ、昨年の大型アニメ「イノセンス」「スチームボーイ」「ハウルの動く城」それぞれに関わっているスタッフが多いんですが。手塚プロタツノコプロプロダクションI.Gなんかも関わってるし。また、メカ作監仲盛文さんやキャラ作監恩田尚之さんなどはZでも活躍されています。言ってみれば大政翼賛会的アニメといえなくも無い訳で。3Dだけがデジタルアニメじゃないんだぞというのをしっかりと示してくれたのではないかと思います。ディズニーに是非見習って欲しい。<ストーリー>:半々
これってガンダムF91っぽいってのが正直な印象。まああっちは婿だが2代目の暴走とか、スチーム城がラフレシアに見えたり。あとは城が動くのは時期的にどうだったんだろとかいう点を指摘したくなるが、自分は面白かった!個人的にはハウルより好み。スチームパンクの世界をちゃんと表現されているし。ちょっと不完全燃焼気味っすけど。あっ続編ある?もしかして?と期待というか不安を抱いている自分もいる。科学(or化学)に対する問いかけなんかはガンダムアムロとシャアの掛け合いが好きな人にはたまらないはず!でも、もっと突き抜けたEDを期待していた人は評価が厳しくなりそう。<音楽>★
いいっすね、スティーブ・ジャブロンスキーさん。最初は何で外国の人?って思ったけど、。「ライオン・キング」のハンス・ジマーや「シュレック」のハリー・グレッグソン・ウィリアムズの下で働いてたっていう経歴は伊達じゃないっす。19世紀のイギリスの世界観とマッチし、かつ蒸気機関というメカニックに合うという相反するような音楽、すげぇ。<配役>☆
と、ここまでの点では間違いなく日本いや国際レベルでもトップレベルの長編アニメだといえますが、問題なのは、配役。鈴木杏のレイはとてもいい。他もキャラのイメージにあっていると思う。だが、やはり、本職の声優で無く、俳優を使うのは控えて欲しかった。ディズニーやジブリといった成功例があるだけに、日本でも増えてきている流れだが、やはり、俳優の声というのは、その俳優自身を想起させてしまい、キャラ自体の存在感が希薄になってしまうと思うのです。レイの声も普段のシーンでは鈴木杏という女優を感じさせないが、感情的になるシーン、特に高い声になると、少年であるはずのレイが鈴木杏という女性になってしまうことがあった。これは鈴木杏の演技力の高い低いの問題ではなく、鈴木杏というイメージが日本で大きいことが原因であると思う。他のキャストでも、児玉清沢村一樹らの声はやはり彼らの声に聞こえてしまった。その演じる俳優の個性をキャラに投影させたい場合には俳優を使うのはいいとは思います。キムタクのハウルのように。だが、この作品はそうでは、なかったと思う。その点が唯一のこの作品に対する不満点です。ロバートはもう少し若く、デイビッドは2枚目でなく3枚目の声があってたと思う。そもそも、ディズニーなんかは、キャストに合わせてキャラを作っている点で日本とは違うんだよね。<総括>★★☆
まぁキャスティングは色んな問題があるし、好みがあるんで仕方ないんですがね。ともかく、その点を含めても、この作品がすばらしいことは間違いないし、大友克洋はすげぇ。そして、この作品は日本のアニメの先駆者手塚治虫が蒔いた種が大きく花開いた作品であり、今後の日本のアニメのひとつの指標になることは言うまでも無い。
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